骨粗しょう症とは
人間の骨は、成長期を終えても常に新しく作り替えられています。古い骨は骨吸収され(注1)、新しい骨がつくられる(骨形成:注2)というバランスが保たれることで、健康な骨が維持されています。
しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れ、「破骨細胞による骨吸収」のスピードが「骨形成」のスピードを上回ってしまうと、骨量(骨密度)が減少し、骨がもろくなってしまいます。
この状態のことを骨粗しょう症と呼びます。
注1: 骨吸収とは、「新陳代謝の一環として骨が破骨細胞に分解され、分解されたあとのカルシウムやコラーゲンが骨から出てしまうこと」を指します。
注2: 骨形成とは、「新陳代謝の一環として骨芽細胞が血中のカルシウムなどを骨の表面に付着させることで新しい骨が作られること」を指します。
骨粗しょう症の原因と症状
骨粗しょう症の原因
先述の通り、「破骨細胞による骨吸収」のスピードが「骨芽細胞による骨形成」のスピードを上回ってしまうと、骨量(骨密度)が減り、骨がスカスカの状態になってしまいます。これが骨粗しょう症です。
骨粗しょう症は、閉経後の女性に多く見られます。女性ホルモンの一つであるエストロゲンは骨吸収を抑える働きを持っていますが、閉経後はエストロゲンの分泌量が減少するため、骨吸収が増加するということが原因として考えられます。
骨粗しょう症の症状
骨粗しょう症の症状はすぐには現れません。ある日骨折してしまったことで、骨粗しょう症が発覚するというケースがほとんどです。
骨粗しょう症が進行するとちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折は生活活動のレベルを確実に下げてしまうため、早めの診断と治療によって骨粗しょう症の進行を食い止める、あるいは遅くすることが重要です。
骨粗しょう症の検査・治療
検査
骨密度の検査、血液検査で骨形成のマーカー、骨吸収のマーカー、カルシウム、ビタミンD、女性ホルモン等を測定します。
治療
上記の検査などから、骨量(骨密度)が低下していると判断された場合、食事や運動などの生活習慣を改善しながらその方に合った投薬治療を早めに開始します。
小魚や乳製品などカルシウムを多く含む食品を摂ることや、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDを生成するため日光を浴びるなどといった工夫が重要です。
また、適度な運動を行うと、その刺激で骨量(骨密度)が増える効果が期待できます。運動によって筋力やバランス力が身に付くことで、転倒などの骨折リスクを下げることも期待できます。
すでに骨粗しょう症が進行している場合は、骨吸収を抑える薬、骨形成をサポートする薬などを処方することがあります。
恵比寿内科クリニックでは
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