舌下免疫療法とは
くしゃみが良く出る、鼻水/鼻詰まりがつらいなど、アレルギー性鼻炎の症状にお悩みの方は多いです。また、対処療法としてアレルギーを抑える薬を飲み続けることに抵抗のある方もいらっしゃることかと存じます。
つらいアレルギー性鼻炎の原因がスギ花粉やダニである場合、「そのアレルギーの原因物質(アレルゲン)を計画的に少しずつ体内に取り入れ、体をアレルゲンに慣らすことでアレルギー症状を体質から改善する」という治療を行うことができます。
この治療は、舌の下に錠剤を含み、免疫(体質)を改善させる治療であることから舌下免疫療法と呼ばれています。
舌下免疫療法を行うことにより、スギ花粉症の方ですと、翌シーズンの花粉症がかなり軽くなる方が、ダニアレルギーの方ですと、数週間で鼻の通りが良くなり、生活の質が改善された患者さんもいらっしゃいます。
舌下免疫療法のメリットとデメリット
メリット
- アレルギー性鼻炎に対する、根本的な体質改善が期待できる治療法である
- 保険適用での治療が可能である
- 長期に渡って症状を抑える、症状を和らげる効果が期待できる
- アレルギー症状が完治するケースや、「少しは改善した」というケースも含めると約8割の方が治療の効果を実感している
- 治療を開始する際の通院と、その後の定期的な通院(月に1回程度)を除けば、自宅での治療が可能
デメリット
- 治療期間が長い(3年から5年程度、毎日の服用を行う必要があります)
- 副反応が現れる可能性がある
- 5歳未満、あるいは66歳以上の方へ治療を行うことが不可能である
舌下免疫療法の流れ
① 舌下免疫療法の開始前
現在お悩みである症状が、舌下免疫療法での改善を望めるものかどうかを診察します。
具体的には、問診やアレルギー検査によってスギ花粉あるいはダニへのアレルギーをお持ちかどうかを調べます。
※気管支喘息やがんなど免疫系の疾患をお持ちの方、β阻害薬を服用されている方などには舌下免疫療法を実施できない場合がございます。
② 舌下免疫療法の開始時
検査結果などからスギ花粉あるいはダニが原因のアレルギー性鼻炎である(舌下免疫療法での改善を望める症状である)と診断され、
なおかつ患者さんも舌下免疫療法を始めたいとご判断いただいた場合に、
専用の錠剤を医院内で初回投与いたします。
スギ花粉アレルギーの方にはシダキュアRスギ花粉舌下錠、
(初回は2000JAU:一週間服用、その後5000JAUの服用を3年から5年続けます)
ダニアレルギーの方にはミティキュアRダニ舌下錠の投与を行います。
(初回は3300JAUを一週間服用、その後10000JAUの服用を3年から5年続けます)
少量とはいえ、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を投与する治療ですので、副反応が現れることがございます。
- 口の中のかゆみ、違和感
- 口内炎
- くしゃみ、鼻水
- 目/耳のかゆみ
などが代表的な副反応です。
治療開始1週間前から抗アレルギー剤を一時的に服用していただくことで、ほとんどの副反応は軽減されることが多いです。
また、治療開始から1ヶ月以上が経過すると副反応が落ち着くことが多いです。
ごくまれに、アナフィラキシーショックと呼ばれる強い副反応が現れる場合がございます。その際には迅速にしかるべき処置を行う必要がございますので、初回投与時、および1週間後の増量時は30分間、医院内で様子を見る必要がございます。
また、ご自宅に戻られたのち、万が一のアナフィラキシーショックが生じた場合に備えて、診療情報提供書をお持ちいただきます。
③ その後の治療
その後は2週間~4週間に1回程度の頻度で来院していただき、「薬を正しく服用できているか」「副反応は出ていないか」「治療の継続にあたって問題はないか」などを確認させていただきます。
最初の1ヶ月でお薬服用の習慣化をサポートさせていただいた後は、1ヶ月に1回程度の通院で、定期的に様子を見させていただきます。
恵比寿内科クリニックでは
経験豊富な医師とスタッフが丁寧に対応いたします。
舌下免疫療法について、ご不明な点や聞いておきたいことなどがございましたら、お気軽にお申し付けください。
恵比寿近郊にお勤めされている方や学校に通われている方は、JR・日比谷線恵比寿駅より徒歩1分の恵比寿内科クリニックにご来院ください。